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活動報告report


 第十六章 14回目訪問の何と濃い5日間!!
     -子どもたちとのコーラスミュージカル猛練習報告!!-

 14回目訪問から帰って来て、はや1週間。この報告をする前に本公演報告に突入しそうな師走の時の早さです。大急ぎで11月28日から12月2日までの陸前高田14回目訪問記を、子どもたちとの練習活動にしぼって格闘の報告をいたしますっ!!
 
(11・30調子の出てきた歌声!!)          (12・1楽しいビデオレター作り!!)
左よりあかり・かのん・みのり・ゆきな         左より檀・あかり・ゆきな・みのり・ほのみ

1.元気なAKMYとHが待っていてくれたっ!!

 私たちの陸前高田訪問日程もさることながら、待ち受ける子どもたちの練習時間確保がそれ以上に困難でした。長い二学期の学校生活でこの時期には連休はなく、さらには「部活動」をやっている子どもたちもいます。この「忙しい」子どもたちとは、土曜・日曜の2日間の練習確保が精一杯でした。でもそんな中でも、11月29日(金)の夕方に学校から、5人そろって「鳴石丘会館」に駆けつけてくれたことは大変嬉しいことでした。久々の「奇跡の花学園」の開校となりました。この日は、千葉久美子先生の「歌の教室」という形で、久々のあかり・かのん・みのり・ゆきな・ほのみちゃんの歌声を聴くことができたのです。檀・村嶋が驚いたのは、それがいわゆるノド声(カラオケなど歌手の発声)でなく、よく響かせる歌い方になっていたことでした。千葉教室での訓練の賜物でしょう、高い声の時にしっかり美しく響いていたこと、「ファルセットぎみで声がへたる」のが少なくなっていたことに大きな拍手でした。久美子先生曰く「ちょっと張り切りすぎている」の大きな歌声で、興奮度はピークに近かったので、本格的な練習は明日以降の2日間で、ということで終りにしたのでした。こりゃ、明日以降エネルギーがいるぞぉっ、と2人は覚悟の心を持ってホテル三陽さんへ!!

2.「2日間しかないっ!!」を合言葉にがんばりぬく!!

 さて、翌朝10時から「たった2日しかないよっ、この次は関西での大人たちとの初合体だよ」の緊張の中、「起立・礼」の号令から、<校長先生>の檀と<担任>の村嶋指導による歌・セリフ付きの芝居の通し練習が始まりました。が、何しろ7月(13回訪問)以来4か月ブリの練習、この日午前中は、いまいち乗りきれない気分の彼女たち。お芝居のセリフが出て来なかったり、「休憩はいつですか?」の質問が飛び出したりと、何か落ち着かない「通し」がやっと一通り終わり、昼休み。いつも昼食の差し入れをしてくれる<PTA会長>のおばぁ様たちに面倒をかけないため、今回は私たちが彼女たちを車で外での昼食へ。子どもたちおすすめのお店を目指すや大騒ぎ、そしてそこで何と彼女たちは大きなプレートのイタリアンをぺろりと食べたのでした。

(11・30陸前高田のレストラン「クローバー」にて)
左よりゆきな・かのん・みのり・あかりの、食欲万点の子どもたち

 さて午後からはどうしたことでしょう、見違えるほどの活気が出てきたのにはびっくりっ! 果たして「腹が減っていただけ?」と思わせるような、演奏演技っぷり。この夕方駆けつけてくれた千葉先生も「あんたたちすごい進歩だねぇ」との評をいってくださったので、ひと安心。だが残るはあと1日のみ、まだ不安定な所や確認しなければならない所がある、それに夕方から「NHK神戸支局」の植村さんと西馬さんが同行取材に加わられた。いよいよ最後の1日にテレビカメラが回ることになる。回るカメラにどんな反応を彼女たちがするか、心配の2泊目もホテル三陽さんへ・・

3.関西と陸前高田の「ビデオレター」、最後に結ばれた心!!

 しかし「最後の1日」ということがわかったのでしょう、集合時間を1時間も早い「9時からにしょう」といったのは他ならぬ子どもたちの方からでした。かくして次の朝、その約束通りに全員集合していたのは本当に嬉しいこと、これぞまさしく自発的・自覚的行動の発露だったのです!!予定よりうんと早い「起立・礼」の掛け声。いよいよカメラが回る中、スタート。
 かのんちゃんは昨日にも増して演技に身振り手振りの熱演、あかりちゃんは安定したノンミスの演奏演技、みのりちゃんは実に今日の笑顔がいい、セリフ忘れもなくなった、ゆきなちゃんは「少女らしさ」が一層ましてすてきな表情、のAKMY。歌も部分ソロはかのんちゃんがトップの出、柔らかい響く声に成長。続いてゆきなちゃんが初ソロに登場、しっかりした声量。そしてみのり・あかりちゃんのデュエットに続く、双子だけあってぴったり合う声っ!!
 どの子も成長を示しているのが愛おしい。そういう意味ではHの小学1年生のほのみちゃんの成長も著しい。前回の7月練習では出番がおねぇちゃんたちと違ってとっても少ないので「待ちくたびれ」でよく泣いていました。ところが今回は一生懸命我慢できていたのです。でもたった1回、最後の方で我慢しきれず泣きだしたのでした。しかしここからが以前と違っていました。「おねぇちゃんたち」が前は知らんぷりだったのに、今度は彼女を輪の中に入れて「団結オーッ!!」をやりだしたのです。それにはほのみちゃんも大満足の笑顔。こんな風景はとてもとても嬉しいこと、「そうそう、AKNYとHたちよ、団結に勝る力はないんだぞぉーっ!!」と私たちは心で叫んでおりました。
 この日、彼女たちが心待ちにしていたのは、「ママ役」の人たちが明かされる関西からの『ビデオレター』の発表でした。さてビデオの中から、内町ママから「ケイト君っ!!」の呼びかけに、中村ママから「うちのユイは」の言葉に、松本ママと大戸ママの「アリス」と「ミユ」の入れ替わりを語る言葉に、「やっぱりっ!!」とか「ああ、あの人なんだ」とか大騒ぎ。それから他の役者の人たちの登場にも大笑い、そして「わかって落ち着いた」と納得。今度は自分たちからの『ビデオレター作り』に夢中になりました。
 トップの動画にあるように、子どもたちが「大津波にあった高田松原」の話を私たちに語りかけるように言いだしたことは、びっくりしました。

「皆さん、これは震災前にあった高田松原です。」
「これが全部、大津波で流されました。」
「だから大津波に倍返しだっ!!」「(声を合わせて)倍返しだっ!!」

(上の写真をクリックして、動画をご覧ください)

子どもたちの「大津波に『倍返し』」には、「大津波になんかに負けないぞっ」の叫びや、「震災前よりすばらしい街を作るっ」の決意、「私たちを忘れないで支援してっ」の願いが込められている画像です。

 被災地以外の人たちが、大地震や大津波のことを触れることはいけないのではとの懸念を払拭するできごとでした。 決して整理した形の心でないかもしれないけど、子どもたちは立派に「大津波のことを伝える」という使命感を持ってステージに臨もうとしているのだと確信しました。 これは村嶋がかつて経験した、阪神淡路大震災を伝える「震災新聞」や「震災作文」に向かった生徒たちの行動を思い出させました。
 気がつけば気合いのこもった2~3回の通し練習も終え、終りの号令の時間となっていました。その間、テレビのカメラが回っていることを忘れていたような・・・、きっと自然体で写っていたのだと思います。そのあとは家族も交えての「カラオケ」夕食でまた違った大盛り上がりとなり、その時のお父さんの「みそ汁の歌」にお笑い、劇に出演して欲しいホドでした・・。
 さて、今回ほど濃い日々はなかったような気がしますが、私たちが今回特に思ったことは、「ああ私たちは本当に繋ぎ目になっているなっ!!」と思えたことでした。子どもたちと関西で一緒の舞台に立つという壮大な計画は今、着々とその日に向かっていることを実感しながら、先生の私たちはまさに師走の関西に帰ってまいりましたっ!!
 今回報告できなかった「第一中学仮設」の皆さんとの2度の交流会や、「おらぁこごがいい」のタクミ印刷の熊谷千洋氏、「伝承館」さん訪問、「う・ふ・ふ」のママさんなど、いつもと同じに訪問交流した皆さんとの話は、書く時間と余白がなくて、残念っ!!またの機会に。




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